前回までシステム案件の「上流」と「下流」での価値観の違いについて述べてきました。今回も別の観点から、「上流」と「下流」における考え方の違いについて解説します。今回の観点は「仕事の定型度」です。

 システムの導入の際、最初に顧客から様々な要望を聞き出しながら、それを具体化するための要件をまとめていくことが仕事になります。この際、顧客からの要望に対する反応が人によって異なります。

依頼が具体的か、あいまいかで分かれる反応

 顧客からの依頼は、「◯◯パッケージシステムをこういう目的で、いつまでに、こういう体制で実施したい」というような形で、いわゆる「5W1(N)H」が明確に示されている場合があります。一方で、ただ何となく「うちでもクラウドのこと考えられないかなあ・・・」といったあいまいで、一体「自分でも何をやりたいのか分からない」といった場合もあります。

 ここで反応が分かれます。例えば後者のあいまいな依頼に対して不愉快に感じて「一体何をやりたいんですか? 弊社に何をして欲しいのか、きちんと社内ではっきりさせてからまた呼んで下さい」と(たとえはっきりとは口に出さなくても)感じる人と、逆に「では一緒に考えてみましょうか?」と、むしろ「歓迎」の姿勢を示す人です。