写真1●iOS 8の画面イメージ
写真1●iOS 8の画面イメージ
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 2014年9月上旬から中旬にかけて、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が発表・発売された。並行して、新しいモバイルOS「iOS 8」も一般向けに提供された(写真1)。

 以下では、3回に分けて、筆者がiPhone 6 Plusなどで「iOS 8」を使ってみた感想と、そこから浮かび上がるAppleの狙いについて解説していきたい。

iOS 7のデザインを踏襲

写真2●WWDC14の模様
写真2●WWDC14の模様
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 Appleが2014年6月に開発者向けイベント「WWDC14」(写真2、関連記事:iOS 8が第3のゴールドラッシュを巻き起こす)で披露し、9月19日の「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」発売直前に配信を開始したモバイルOSの新版「iOS 8」。デザインを初めて大幅刷新した2013年リリースのiOS 7の、フラットとレイヤー、カラーとシンプルな図形を活用したデザインを踏襲している(写真1)。画面サイズが異なるiPhoneが混在する環境への対応も推し進めた。

 Appleは製品にしてもソフトウエアにしても、デザインによる問題解決や、ブランディングで人々の注目を集めてきた企業だ。iPhoneに使い慣れた人に引き続きiPhoneを使ってもらうため、iOS 7ではそれまでのiOSでの経験を活用することで、よりシンプルでクリアなイメージのソフトウエア環境を構築しようとした。

Material Design重視のAndroid

 一方、世界のモバイル市場を支配するAndroidを擁する米Googleは、最新バージョンの「Android L」を披露し、「Material Design」と呼ばれるモバイルを中心とした各デバイスのデザインに関するルールブックを提案している。

 文字、図形、写真の配置、ボタンやカードといったデザイン要素、アニメーションなどの詳細なガイドラインを用意している。アプリ、ウェブ、テレビなどのあらゆるスクリーンでのユーザビリティー統一を目指しており、様々なプラットホームに対応させる取り組みとして注目すべきだ。

 ここへきて、Apple(iOS)とGoogle(Android)でユーザビリティーを決定するデザインに関する取り組み方の違いが出てきた点は興味深い。

 それでは、新型iPhoneとともに利用してきたiOS 8について、ポイントをまとめていこう。