写真1●バイドゥが開発中のiOS 8向けSimeji
写真1●バイドゥが開発中のiOS 8向けSimeji
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写真2●矢野りん氏(モバイルプロダクト事業部 マネージャー)
写真2●矢野りん氏(モバイルプロダクト事業部 マネージャー)
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写真3●河本雪野氏(プロダクト事業部 デザイナー)
写真3●河本雪野氏(プロダクト事業部 デザイナー)
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 バイドゥは2014年8月6日、米アップルが9月9日に発表すると見られるiPhone 6に搭載される最新OS「iOS 8」向けに、Android向けに無料で提供している日本語入力ソフト(IME)の「Simeji」(しめじ)を開発していることを明らかにした(関連記事:iOS 8向け日本語入力アプリ「Simeji」が開発中、最新画面と情報を入手)。

 顔文字入力やデザイン(スキン)変更などの特徴的な機能を備え、無料で提供されるIMEということで、iOS 8向けSimeji(以下、iOS版Simeji、写真1)の注目度は非常に高い。バイドゥはiOS 8の正式リリースに合わせてApp Storeで公開したい意向だが、OSの基本機能を担うソフトだけに、通常のアプリ以上にアップルによる厳しい審査が行われる可能性がある。同時公開にこぎつけられるかは不透明だ。

 取材した8月6日時点でも、完成度を高めるための開発やチューニング作業の真っ最中だった。iOS版Simejiの開発にはどんな苦労があるのか。開発チームの中心メンバーである矢野りん氏(モバイルプロダクト事業部 マネージャー、写真2)と河本雪野氏(プロダクト事業部 デザイナー、写真3)に聞いた。

初期にはSwiftのUnicodeサポート問題などで苦労した

 まずは、アップルがiOS向けに採用した新開発言語である「Swift」を使った開発について。開発では文字コードの扱いに苦労したという。「Android版Simejiの辞書データをiOS版に移植する作業などをしようとしたところ、正しい変換候補が表示されない現象が発生した。実はSwiftにUnicodeサポートに関する問題があることが判明し、その問題への対応を待つ必要があった」(河本氏)という。