アップルが「iPad Air 2」の発表と同時に導入した独自のSIMカードが、「Apple SIM」だ。

 これまでキャリアが発行することが通例だったSIMカードを、アップルはあらかじめ製品に同梱して出荷した。これによりキャリアとアップルの力関係に変化が生じ、アップルが主導権を握るのではないかという点で注目を浴びた(関連記事:iPad Air 2は順当な進化だが、「Apple SIM」は業界にサプライズ)(写真1)。

写真1●アップルによる独自のSIMカード「Apple SIM」
写真1●アップルによる独自のSIMカード「Apple SIM」
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 Apple SIMを手にしたユーザーは、どのような体験を得られるのだろうか。本記事では筆者が実際に米国で購入したiPad mini 3を使って、Apple SIMの使い勝手をレビューする。

Apple SIMは最初からSIMカードスロットに入っている

 最初に、Apple SIMについて重要な点を確認しておこう。現時点でApple SIMが同梱された製品は、米国や英国で販売される「iPad Air 2」と「iPad mini 3」の、各セルラーモデルに限られる。Wi-Fi版やその他のiPad製品、iPhone 6などにApple SIMは同梱されない。

 そしてApple SIM同梱モデルのiPadであっても、単体のSIMカードが同梱されているわけではない。既に端末のSIMカードスロットにApple SIMが入った状態で出荷されているのだ(写真2写真3)。

写真2●米国版の「iPad mini 3」。パッケージ内にApple SIMらしきものは見当たらない
写真2●米国版の「iPad mini 3」。パッケージ内にApple SIMらしきものは見当たらない
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写真3●実はiPad mini 3の本体に最初からApple SIMが入っている
写真3●実はiPad mini 3の本体に最初からApple SIMが入っている
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