過去において、プライベート用のWindowsとビジネス用のWindowsは基本的に同じものだった。もちろんActive Directoryのドメインに入れる、入れないといった機能の違いはあったが、コンシューマーにしてみれば、業務用の冷蔵庫を自宅で使うようなことを何十年も強いられてきた感がある。
Windows 8は、コンシューマーに対してタッチファーストの世界を紹介するべく、いわゆるイマーシブなストアアプリの世界を提供したが、現状では、それが歓迎されたとは言い難い状況だ。2015年はWindows 10の全貌がわかることになりそうだが、オフィス、モバイル、プライベート、そしてタッチを、Windowsがどう区別するようになるのかが気になるところだ。
タッチ不要はどこまで通用するか?
企業における生産性の向上のためのパソコンにはタッチはいらないという論調もある。クラムシェルノートパソコンで、キーボードとマウスを使って、従来通りのデスクトップアプリをテキパキと使えればそれでいいというわけだ。
使うアプリケーションが以前と変わっていないのだから、そこにタッチが入ってきても混乱するだけという面もあるのだろう。もちろん、タッチ対応パソコンはコスト高でもある。かくして企業のタッチファースト化は、なかなか進まない。従業員もそんなものだと思って仕事を続けている。
ただ、一般的なユーザーは、スマートフォンやタブレットなどで、タッチの感触を知ってしまった。その感触を仕事用のパソコンで得られないのなら、その部分を自分自身のデバイスで補おうと思うようになる。その結果、BYODやシャドーITが台頭してくることになる。
プライベートWindowsとビジネスWindowsの垣根はこれからどうなるのか。まるで別物になってしまう可能性もありえるわけで、それをどう受け入れ、どうコントロールしていくかは、ユーザー教育のコストを含めて考えておく必要がありそうだ。
フリーランスライター