写真●iOS版の「Microsoft Excel」をiPadで動かしたところ。ユニバーサルアプリなので1つのアプリでiPhoneとiPadに対応する
写真●iOS版の「Microsoft Excel」をiPadで動かしたところ。ユニバーサルアプリなので1つのアプリでiPhoneとiPadに対応する
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 MicrosoftはMobile First, Cloud Firstをスローガンにした戦略を推進している。この連載のタイトルのように、Windows Firstはすでに過去の話になっているといってもいい。

 そのことを如実に表しているのが先週発表されたiOS用のOfficeアプリだ。iPad用Officeアプリは、米国アカウントでは入手可能だったものだが、2014年内には日本のiTunesアカウントでも入手できるようになるとされていた。

 今回公開されたiOS用Officeアプリは、ユニバーサルアプリで、iPhone、iPadそれぞれで最適化されたアプリ画面となる。これは、まさに、ユニバーサルWindowsアプリでやろうとしていることを、先にiOS環境に提供したことになる。

まずiOS版が登場したことに注目

 Windowsよりも、Androidよりも早くiOS用が提供されたことに注目したい。タブレットやスマートフォンでOfficeアプリを使うという点だけにしぼれば、今、iOS環境下がもっとも充実しているといえるだろう。もっとも、Androidタブレット用のプレビュープログラムもスタートし、その受付が開始されているから時間の問題ではある。ただ、現時点でのアナウンスではAndroidスマートフォンの扱いが欠落している。さらに、Windows環境については、Windows 10向けOfficeを開発していることも公表された。

 環境に関係なく、あらゆる場所のあらゆる人にOfficeを提供するというこの戦略は、Windows Firstではなく、Mobile First, Cloud Firstというユニバーサルなスローガンを地で行くものだ。また、直近では、Office 365ユーザー向けにOutlook for Macが公開された。Mac用のOfficeは、2011相当で、Windowsの2013版に比べて古さは否めなかったが、ここでOutlookが先行してキャッチアップしたかたちだ。来年には、WordやExcelなどもリリースされる予定だという。

 CEOが交替し、Microsoftは生まれ変わったようだ。その方向性に迷いがない。