マイクロソフトがWindows 10のエディション構成を発表した。基本的にHome、Mobile、Proがあって、さらにボリュームライセンスのみで提供されるEnterpriseやMobile Enterprise、そしてEducationエディションが提供されることになるそうだ。
ボリュームライセンス用はともかく、コンシューマー向けのWindowsが3つもあるというのに驚いた。この期に及んで、という印象だ。極端な話、もう、パッケージとしてのWindowsは提供されなくなるくらいに思っていた。そこまでいかなくても、エディションは単一で、あらゆる付加価値を全てのWindowsユーザーが享受できるようになるに違いないと思っていた。エディションごとに使える機能、使えない機能があると、サポートにもその分のコストを上乗せしなければならないからだ。
ご存じのように、コンシューマーは、量販店でパソコンを購入することで、そこにWindowsがプリインストールされてくる。購入時には、Windowsを購入するという発想はない。以前であれば、アップグレードをどうするかといった悩みもあっただろうが、今回は、Windows 7以降に対して1年間の無償アップグレードが提供される。
かつての保守的なマイクロソフトが見え隠れする
今後、パソコン用のOSを、単独で入手する必要があるのは、パーツを集めてパソコンを自作し、そこで稼働させるOSを入手するためくらいのものになるはずだ。あるいは、ついうっかり、1年間の無償アップグレード期間を逃してしまいWindows 10にできなかったユーザーか。でも、そんなユーザーはパソコンがライフタイムを終えるまでずっと古いOSを使い続けるだろう。これまでのようにDVDなどのメディアが提供されるのではなく、プリペイドカードのようなライセンスを購入するだけで、実体はISOファイルのダウンロード提供のみといった、極端な改革が欲しかった。そのくらいしなければ2~3年後のWindows 10デバイス10億台という目標はかなりハードルが高いものとなる。
逆の言い方をすれば、今回のエディション構成の発表内容は、従来とは違うマイクロソフトというよりも、従来のマイクロソフトの保守的だった面を思い起こさせる。