Windows 10では、スマートフォンからタブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビまで、おおむね4型から50型超のスクリーンをすべてサポートするユニバーサルアプリが提供されるようになるという。これまではWindows PhoneとWindowsは別のストア、別のパッケージで提供されていたが、それも1パッケージとなるようだ。
「スクリーン」とひと言でいうが、今、その多様化はいろいろな問題をはらんでいる。というのも、解像度やサイズがバラバラで、アプリケーションを開発者する側がエンドユーザーの体験を予測しにくくなっているからだ。
5型スクリーンのスマートフォンで4K解像度のデバイスが近々登場するだろうし、50型でフルHDのデバイスもある。さらにユーザーごとに視力はまちまちだ。きっとフォントサイズを変更して、自分が見やすいようにカスタマイズする。つまり、解像度が高ければ、より多くの情報が表示されるわけではない。それに小さなスクリーンにおける高い解像度でのタッチ操作のしにくさは今ちょっとした問題にもなりつつある。レガシーアプリではマウスでさえ操作がままならなかったりもする。大きなスクリーンでは大きく、小さなスクリーンでは小さく見えるのが当たり前の静止画やビデオ映像とアプリUXは違うことを再認識すべきだ。
業務アプリだって例外じゃない
日本においてはWindows Phoneのことはまだ考えなくてもいいかもしれないが、いくつかのベンダーが搭載デバイスのリリースを表明していることを考えると、日常のWindows環境との親和性という点で再評価も必要になるだろう。
いずれにしても、企業内で使われる業務用アプリも、こうした状況を把握して対応していかないと、ちょっと面倒なことになるかもしれない。たぶん、あらゆるデバイスでユーザーに限りなく同じ体験を提供するというのは無理だ。そうしようとすればするほど使いにくい環境になってしまうだろう。Webアプリでも同様だ。デスクトップ用とモバイル用の2つのUXを用意するだけでは足りない。その先にあるUXを想定してほしい。
こうした状況が、企業で使われるフォームファクターの画一化につながってしまうと、適材適所のデバイス選択が難しくなる。それはすなわち、組織の生産性を落とすことにつながってしまうのだ。