Microsoft Officeといえば、日常の仕事に欠かせないアプリケーションとして、もはや企業にとってWindowsとのセット的な存在になっている。その一方で、コンシューマーが量販店で購入するパソコンにも積極的にプリインストールされて広く普及しているのはご存じの通りだ。
Officeといえば仕事。そういうイメージがあるが、プライベートの生活の中で、WordやExcelが必要になる作業がどれほどあるかというと、説得力のある使い方を見つけるのはなかなか難しい。
ただ、それは、パソコンの使い方における想像力の欠如という点によるところも大きい。というのも、企業においては、パソコンの使い方に工夫をするということが、基本的に認められていないことが多いからだ。今よりもラクをするとか、効率をよくするといったことよりも、全員が同じ環境で、トラブルがないように作業をすることがよしとされているわけだ。そんなわけだから、必然的に、与えられた業務をこなすだけになってしまう。
「楽しもうOfficeライフ」で利用範囲を広げることができるか
日本のMicrosoftは「楽しもうOfficeライフ」(写真)という特設サイトを用意して、一般コンシューマーがOfficeを使う際のヒントを、さまざまなかたちで提供している。テンプレートなども豊富に用意され、隠れた人気サイトになっているようだ。それを見ると、Microsoftはもう、Officeというブランドをやめて、もっと違うネーミングを考えた方がいいんじゃないかというくらいに、いわゆる業務用アプリから逸脱した使い方が提案されている。
そうした使い方があることを、多くのコンシューマーは知らない。でも、その一方で、ITはコンシューマーライゼーションという大きな波の中で変革を求められている。その流れの中で、Officeアプリケーションもまた、変わろうとしているのではないか。業務用の冷蔵庫を家庭で使うようなことが強いられてきた状況が変われば、働き方も遊び方も変わるのだ。