サムスン電子がGalaxy Note7の製造・販売中止を発表し、米国でもリコールが始まって1週間以上経つ。米国の連邦交通部と連邦航空庁はGalaxy Note7の航空機内持ち込み、手荷物として預けることも禁じた。この決定により、世界中の航空会社がGalaxy Note7の機内使用禁止より厳しい機内持ち込みそのものを禁じる動きに出た。

 当初バッテリーの問題とされていたGalaxy Note7の発火原因は、結局今のところわからないままである。バッテリーを別会社に変えても発火事故が続いたことから、端末すべての構造を調べ直すしかない。

 10月17日からは、韓国の政府機関である国家技術標準院が専門家10人規模の「Galaxy Note7官民合同調査団」を発足した。3カ月ほど時間をかけて、発火原因を突き止めるまで徹底的に調査を行うと意気込んでいる。合同調査団の調査結果によっては、サムスン電子に行政処分を下す可能性もあるという。韓国においてGalaxy Note7の発火事故は、もはやサムスン電子だけの問題ではなく、韓国経済や韓国の信用度まで揺るがす大事件になっているからだ。

 製造・販売中止を決める前から、サムスン電子ホームページには「新しく交換したのにまたGalaxy Note7が問題を起こしている」というユーザーの不満が次々と書き込まれた。最も多い書き込みは、「充電中の発熱」と「充電をしても急速に放電するという問題である。「100%充電後、ゲームも動画も観ていないのに5分後にはバッテリーが30%しか残っていないほど急速に放電した」という書き込みや、「ワイヤレス充電をすると、バッテリーの残量が増えるどころかどんどん減ってしまう」という書き込みもあった。韓国の複数のテレビ番組が同じくGalaxy Note7を使ってワイヤレス充電をしたところ、充電開始後40分が経ってもバッテリーの残量は増えるどころか減り続ける現象が起こった。充電を始めると恐怖を感じるほど、どんどんバッテリーが熱くなる現象も見られた。