韓国政府は2014年7月23日、国家経済成長のために「ソフトウエア中心社会を作る」と発表した。2015年3月の新学期から中学校の、2017年3月から小学校の正規教育課程としてソフトウエアを教えることにした。高校では2018年3月から選択科目としてソフトウエアを教える。韓国政府が言うソフトウエアとは、ハードウエアを除いた全て。ソリューション、アプリケーション、コンテンツなどである。

 韓国政府は、「スマートフォンの登場以降、ソフトウエアとサービスが商品の価値を決める時代になった」として、「子供たちがソフトウエアを理解して扱える能力を養うことで、全産業で既存産業とソフトウエアを融合した新しいアイデアが生まれるだろう」と期待している。

 今までのソフトウエア教育は、ソフトウエアを作ることやソフトウエア産業そのものの市場規模を大きくすることに焦点を当てていた。これからは、ソフトウエアに関する基礎知識を義務教育を通じて身に付けることで応用力を養い、ソフトウエア+他産業の融合で新しいビジネスを開拓するようにする。

 ソフトウエア教育は、主にICT政策を担当する未来創造科学部(部は省に相当)と教育部が担当する。未来創造科学部は、「短期間で成果が出る研究開発ではなく、リスクは大きいが教育をして、ソフトウエアと他の産業を融合した製品やサービスを作れるまでサポートする」としている。

 未来創造科学部が期待するのは、「医学とソフトウエア」「建築とソフトウエア」「ウエアラブル端末とソフトウエア」「3Dプリンティング活用のためのソフトウエア」「センサー活用のためのソフトウエア」といった分野である。政府のソフトウエア研究開発予算も、果敢に世界初・世界最高に挑戦する研究所を優先することにした。

 一方、教育部は「ソフトウエア教育はクリエイティブな思考と論理的に問題を分析する能力を養えるので、小さいうちから始めるべきである。デジタル経済時代を生きることになる今の子供達にソフトウエアは基礎教養として必要になる。米国、英国、中国の子供たちもソフトウエアを学んでいる」として、小学校からの義務教育として行うことにした。