世界商用ドローンの市場シェア7割を占めているという、中国のDJI社(大疆創新科技有限公司)。日本の首相官邸に落下したドローンとして有名なPhantomシリーズを、世界で製造販売しているメーカーである。

 DJI社はドローンを製造しているだけではなく、世界中でいろいろな実証実験に参加している。宅配にドローンを使う実験、食料不足を解決するために農業にドローンを使う実験など、世界中で企画されている「ドローンを使って何かやってみる実証実験」には、必ずといっていいほどDJI社が加わっている。

写真●DJIアレーナ
写真●DJIアレーナ
世界初となるドローンの室内飛行場が韓国にオープンする。世界商業ドローンシェア7割占める中国のDJI社は、室内飛行場を開設する場所として、ドローンの愛好家が多いことからテストベッドにしている韓国を選んだ(DJI社提供)
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 そのDJI社が、8月中旬韓国に世界初となるドローンの室内飛行場をオープンする。DJIアレーナと名付けられた室内飛行場は、ソウルから車で1時間ほど離れたヨンイン市にあり、面積は1395平方メートル。照明がついたサーキット、飛行に集中できるようにドローンを映すLCDTV、充電機能がついて整備室などがある。

 DJI社によると、室内飛行場はドローン初心者が気軽に安全に飛行を楽しめ、熟練者はより凝った飛行を楽しめる施設にするという。DJIのNPE(New Pilot Experience)と呼ばれる初心者向けの教育施設として使う計画で、個人や団体が予約して貸し切りで独自のプログラムを運営してもいいようにする。

 ドローン愛好家の間では、すでに話題沸騰。風や雨といった天候に左右されないので、ドローンレーシングやダイナミックな飛行にチャレンジしてみたいと盛り上がっている。

モールごとにドローン売り場があるほど過熱

 韓国ではショッピングモールごとにドローン売り場があるほど、ユーザーが急増している。実は北朝鮮と休戦状態という理由から、ソウル市内のほとんどが飛行規制区域になっている。6月になってやっと、ソウル市内の真ん中を流れる川沿いにある漢江公園の一部が「ドローン公園」に指定され、そこでは自由に飛ばせるようになった。

 ドローンが落下して人が怪我したらどうするのか、空中撮影はプライバシー侵害ではないのかといった議論もあり、ドローンに対する規制は厳しくなるばかりである。室内飛行場があれば、思いっきりドローンの飛行を楽しめること間違いない。