サムスン電子は2017年7月25日、同年のスマートスクール支援事業として小学校9校、特殊学校2校、病院学校1校、多文化センター1カ所、擁護施設2カ所、合わせて15カ所を選定したと発表した。サムスン電子のスマートスクール支援は、韓国政府がデジタル教科書とスマート教室の普及に力を入れ始めた2012年から毎年行われている。

 政府の予算は限りがあるので、デジタル教科書を使いたいと申し込んだ教員がいる学校を優先した。政府の支援対象から漏れた病院学校や養護施設、私立学校などを対象に、サムスン電子のスマートスクールを使ってみたら授業がどう変わったのか、学習効果は上がったのか、といったことをフィードバッグしてもらうため支援し始めた。病院学校は自治体ごとにある教育庁が認めた病院の中にある教育施設で、3カ月以上長期入院している小学生を対象に特殊治療教師が授業を行う。中高生には病院の中にスマート教室を作り、遠隔授業を行う。

 サムスン電子の支援を受けるには、スマートスクールにしたい理由や学校の状況について教員または子供たちがサムスン電子のWebサイトに投稿する。その上で有職者委員が書類を審査して第一候補を選ぶ。第一候補になった学校や教育施設の写真と事情をサムスン電子のWebサイトにに掲載し、ネットユーザーから「いいね!」を1万件以上もらえたところが最終的に選ばれる。

サムスン電子は毎年スマートスクールにしたい教育施設を選定して支援している
サムスン電子は毎年スマートスクールにしたい教育施設を選定して支援している
(出所:サムスン電子)
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 まるでスマートスクールオーディションである。SNSも盛り上がる。地域住民が知人らに応援を頼む書き込みをしたり、自分の地元を応援したいと思う人や子供の教育に関心がある人などが「この学校は選ばれるべき!」と書き込んだりする。2017年は595の教育機関から申し込みがあった。