米グーグルは7月4日、米国の独立記念日イベントとして、ストリーミング映像サービスとストリーミング音楽サービスの新規加入者を対象に4カ月無料サービスを始めた。韓国では、グーグルが1曲いくらという販売方式ではなく、定額制の音楽聴き放題サービスを始めたことに注目している。

 さらに、アップルミュージックも2016年下半期には韓国に進出する。6月末、韓国音楽実演者連合会は、アップルミュージックと月定額ストリーミングサービスに対する著作権契約を完了した。韓国音楽実演者連合会は著作権信託団体の一つで、歌手や演奏者が主に著作権を委託している。契約金額は公表していない。

 アップルミュージックは、韓国音楽著作権協会、韓国音盤産業協会、音源流通事業者であるCJ E&M社、KTミュージック社、ロエンエンターテインメント社とも交渉中だという。アップルミュージックは全世界1000万人を超える会員がいて、3カ月無料お試しを提供している。アップルミュージックは、韓国でも3カ月無料お試しでユーザーを集めるという。

アルバムの販売がなくなった

 韓国の音楽市場は「アルバム販売」というのがほとんどなくなった。アイドルが新曲を披露する際には、「アルバム発売」ではなく「音源公開」という表現を使うようになった。「音源」は音楽データファイルを指す。インターネットでファイルをダウンロードして購入するか、ストリーミングで聴き放題を利用することになる。

 PC通信が主流だった90年代から、音源市場は存在した。ただし当時は、無名歌手が自分の音楽を聴いてもらおうとPC通信にMP3ファイルを載せたり、一部の歌手が新曲宣伝のためにお試し公開したりしただけだった。今では、アルバムを制作せずに音源公開のみの歌手の方が多い。

 韓国では、地下鉄の車両内でも無料WiFiが利用できる。通常のWiFiでも、月7GBを超えても追加で毎日2GBまでデータ通信を利用できる料金プランがあり、さほど高額ではないので、ストリーミングで音楽を聴くことは苦にならない。

 ストリーミング音楽の月々の利用料は、どのサイトも約700~800円とほぼ同じ。UIも似通っている。好きなジャンルや歌手を選択すると、それに合わせてずっと音楽を流してくれるといったサービスも同じである。音源市場は「メロン」という名前の音楽サイトが市場を寡占していて、無料お試しもない。黙っていても顧客が集まるからだ。

 市場シェアは、過半数を占めるメロンに続いて、KTミュージック、MNET、Bugsと続く。この順位も10年近く変わっていない。以前は、どこが一番早く新曲の音源を公開するか競争をしたこともあったが、最近は全サイトが同時にサービスを開始している。