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趙 章恩「Korea on the Web」

市民同士が監視?韓国で広がる「通報アプリ」

趙 章恩=ITジャーナリスト 2017/07/10 ITpro

 韓国ではスマートフォンが普及し始めた2010年あたりから、政府機関と自治体が開発した「不便届け」というジャンルのアプリが登場した。駐車違反、危険運転、ゴミが指定の場所以外に捨ててある、お店がドアを開けっぱなしにして冷房を使っている(電気の無駄使いなので過怠料最大約30万円)といった生活の中で起きた不便を通報するアプリ(通報アプリ)である。

 例えば、警察庁の「スマート国民提報(通報)」、行政自治部(部は省)の「生活不便申告」、国民権益委員会の「国民シンムンゴ(シンムンゴは朝鮮時代、地域の役所で決着がつかなかった揉め事があった場合、王様がいる宮の前にあった太鼓を鳴らして王様に直接話を聞いてもらえた制度)」などがある。

 アプリをインストールしたら、スマートフォンで写真を撮って時間と場所を記載して送信するだけ。政府機関のアプリなら中央政府の担当者に、自治体のアプリなら自治体の担当者に届き、処理状況も教えてもらえる。以前は不便なことを届け出たい、警察に通報したい場合、写真を撮り、用紙に記入して役所や警察を訪問しないといけなかった。

 2016年、韓国の警察が取り締まった交通法違反は1493万4288件だったが、このうち98万1185件(約6.6%)は市民がアプリで通報したことで取り締まりできた。韓国の警察は「市民のスマホは動く防犯カメラ」として、積極的に届け出るよう呼びかけている。運転中ウィンカーを出さずに曲がることも違反になるが、これは警察が取り締まるのは難しかった。最近は車載カメラも増えているので、前の車がウィンカーを出さなかった映像をアプリで通報する人が多い。街の防犯カメラに加えて市民のスマートフォンに車載カメラまで、自宅から一歩外に出れば、壁に耳あり障子に目あり、といった状態である。

 簡単に届け出ができるので届け出の件数は当然増加する。交通違反の場合、市民からのアプリ経由の通報は2012年が9万5744件だったので、5年間で10倍以上に増えている。「些細な事でもアプリで警察に届け出る人が多すぎる。アプリから届け出があれば全て調査しないといけないので警察の業務が大変。一人1日10件以上通報する人もいれば、アプリ通報で違反が見つかり、過怠料を払った人が腹いせに他の人を通報するケースもある」という記事もあったほど熱心に通報する市民が増えた。

 ソウル市の場合、アプリ経由の通報だけで違反者に過怠料を請求している。公務員や警察が現場に行かなくても、写真や映像があるので十分証拠になるとみている。その代わり、駐車違反は10分間隔で撮影した写真2枚以上、停車違反は1分間隔の写真または30秒以上撮影した動画が証拠として必要となる。写真と動画は違反した車のナンバープレート、具体的な場所が識別可能なものでないといけない。アプリで通報してその車に過怠料が科された場合、通報した人は4件当たり1時間「ボランティア活動時間認定」というメリットがある。ボランティア活動時間認定は就職や進学の際に必要なので、高校生や大学生なら通報すると自分も得をする。

ソウル市はアプリで簡単に違反を通報できるようにし、アプリ上の証拠を元に過怠料を科している
(出所:ソウル市)
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