ランサムウエア被害が発生した韓国のWebホスティング会社「NAYANA」がデータを復元できるコードをもらうため、ハッカーに13億ウォン(約1億3000万円)のビットコインを支払った。この事件は「サイバー強盗にやられた」として、韓国だけでなく欧米のメディアでも大きく取り上げられている。

 事件は6月10日午前1時に発生した。NAYANAのLinuxサーバー153台(バックアップサーバー含む)が午前1時に一斉にErebusランサムウエアに感染。NAYANA社を利用している約3400社のホームページ上のデータが人質になった。

 NAYANAは自社でデータの復元を試みたが失敗。政府機関の韓国インターネット振興院や警察庁サイバー捜査隊などに相談する一方、ハッカーと交渉を始めた。警察は「ハッカーにお金を払ってもデータを復元できる可能性は低い」として、交渉に応じてはならないとしたが、NAYANAは「自社だけの問題ならハッカーと交渉しない。しかし人質になっているのは顧客のデータなので、何をしてでも復元しなくてはならない。非難されても仕方ない」と交渉に応じた。警察庁サイバー捜査隊がハッカーを追っているが、警察抜きでハッカーと交渉したため、捜査が難航した。

NAYANAのホームページには謝罪文が掲載されている
NAYANAのホームページには謝罪文が掲載されている
(出所:NAYANA)
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