韓国では、ついにタブレットが“家電の付録”扱いを受けている。サムスン電子は2016年5月から、冷蔵庫やテレビといった家電を購入するとタブレットが無料でついてくるキャンペーンを行っている。サムスン電子は、「親に冷蔵庫やテレビをプレゼントして、自分用のタブレットをゲットしよう」と宣伝しているが、“タブレットの在庫処分疑惑”も浮上している。

 スマートフォンより画面が大きく、ノートPCよりも軽くて便利と、キャリアとメーカーが大々的に宣伝しているタブレットだが、韓国ではなかなか売れないのだ。複数の韓国メディアによると、5インチ以上の大画面スマートフォンが主流になったのがその理由だという。

 携帯電話ショップや家電ショップをのぞいても、キーボード脱着式でノートパソコンとしても使える大画面タブレットは置いてあるが、7~8インチのタブレットは展示されなくなっている。

 韓国未来創造科学部(部は省、通信政策を担当する省庁)が公開している「無線通信加入者統計」によると、タブレット保有者は減っている。同じ統計では、タブレット保有者(キャリア経由で購入)は2014年10月59万5045人、2015年2月56万7511人、2016年2月56万3700人と減少している。

 一方、スマートウォッチを付けている人はよく見かける。韓国のキャリア3社は、ウエアラブル端末専用音声・データ通信料金プランを充実させている。スマートフォンを持たずにスマートウォッチだけ購入しても、音声通話、SMS、データ通信すべて使える料金プランである。

SKテレコムのウェアラブル端末ショップ(SKテレコム提供)
SKテレコムのウェアラブル端末ショップ(SKテレコム提供)
韓国では子供から大人までスマートウォッチが人気でよく売れている。ウェアラブル端末専用データ通信料金プランも豊富に出そろった。スマートフォンもスマートウォッチも売れているのにタブレットはいまいち売れず、ついには家電の付録のような位置づけになってしまった。
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