韓国のキャリアであるLGU+とクレジットカード会社の信韓カード、ガソリンスタンドのGSカルテックス、スタートアップのOWiNの4社はこのほど、「コネクティドカーコマースアライアンス」を結成し、下半期からソウル市江南地区でサービスを開始すると発表した。4月20日にはソウル市内でセミナーを開催。コネクティドカーコマースの動向や具体的なサービス内容について説明した。

 コネクティドカーコマースとは、ETC(電子料金収受システム)のようなイメージで、ガソリンスタンドやドライブスルーでの代金をクレジットカードや現金を出さずに、運転手は何もしなくても車の情報を認証して自動決済できるもの。車に登録したクレジットカードから支払われる。

 おサイフケータイのように車そのものが財布になるサービスである。車がインターネットにつながり運転手が安全に運転できるコネクティドカーサービスの一つとして位置づけられるが、韓国ではこのコマースを一足先に実現するわけだ。

 下半期から江南地区で始める計画のコネクティドカーコマースは、フランスの自動車メーカーであるプジョーを対象としている。韓国のハンブルモーターズが2017年下半期に輸入販売するすべてのプジョー車に、コネクティドカーコマースを搭載する。決済はアライアンスの信韓クレジットカードを使う。

 コネクティドカーコマースを利用するにはどうしたらいいのか。運転手は車に乗って、モニター画面からコーヒーや花などを注文し、ドライブスルーのカウンターで商品を受け取る(写真)。スマートフォンを使って、アプリから商品を注文することも可能だ。商品を注文すると、店舗に注文内容と到着予定時刻が届く。顧客の車が1Km先に近づくと、店舗の端末にその情報が表示される。顧客が到着すると、顧客番号と注文内容が表示され、商品を渡すと決済完了になる。

コネクティドカーコマースの利用イメージ
コネクティドカーコマースの利用イメージ
(出所:OWiN)
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 ガソリンを入れる時も同じだ。車に搭載されたモニターまたはスマートフォンアプリからガソリンの種類と金額を選択。GSカルテックスのガソリンスタンドに行けば、店員が車から送られた情報を見て、車が到着したらすぐに給油を始める。クレジットカードと一緒にポイントカードもひも付けておけば、ポイントのチャージや割引クーポンの利用も忘れずに済む。

 駐車場の利用も便利になる。駐車場に入って出るだけで時間を自動的にカウントしてクレジットカードから料金が引かれるので、時間の節約になる。