韓国でも大注目のMWC2016だが、今年はなんといってもLG電子のスマートフォン新機種「G5」が話題をさらった。

 「G5」が、韓国だけでなく海外メディアにも「新しいスマートフォン」と好評を得たことで、MWC2016開幕後LG電子の株価が上昇したほどだった。2月22日LG電子の株価は前日より2.8%上昇、LG電子の持ち株会社であるLGは6.03%、LG電子にスマートフォンの部品を供給するLGイノテックは2.82%、LGディスプレイ社は1.52%株価が上昇した。LG電子にG5のメタルケースを納品したアイエムテックは、株価が前日より19%も上昇した。

 韓国の証券会社らは、「スマートフォンの中身はもちろん、ハードウエアまでイノベーションしたところが株価を押し上げた。LG電子はスマートフォンの限界を超えてみせた。G5は1060万台は売れ、Gシリーズの歴代最多販売台数を更新するに違いない。モジュール型スマートフォンという、他の会社には真似出来ないビジネスモデルを作った」と高く評価した。

 一方、新機種「S7」を発表したサムスン電子の株価には、あまり変化はなかった。韓国メディアは「S7はS6に比べ、防水機能の他にこれといって斬新な機能がない。期待しすぎた」とまで酷評した。

 韓国のユーザーにとって、LG電子のイメージはいつも控えめ、マーケティングが下手な職人グループという感じである。それが今年のMWCでは、サムスン電子と同日、5時間前に新機種を公開し、話題をさらった。

LG電子「G5」(出所:LG電子)
LG電子「G5」(出所:LG電子)
MWC2016でLG電子が公開したスマートフォン新機種「G5」。モジュール型スマートフォンといって色々な部品を装着して違う機能を楽しめるのが特徴だ。
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 驚いたのは、スマートフォンにモジュールを装着させることで、スマートフォンが色々なデバイスに早変わりするところだ。バッテリーの部分を動かして着せ替えるだけで、デジタルカメラの形に変わったり、オーディオになったりする。オーディオは、世界的に有名なBang&OlufsenのカジュアルブランドB&O PLAYとのコラボ。32ビット、384kHzの音源(ハイレゾ)も再生できる。

 G5本体もスマートフォンも素晴らしい。通常の78度画角カメラと135度広角カメラのデュアル搭載。自撮り棒がなくても顔がドアップにならないのはもちろん、より広い風景を写真に収められる。一般に、人の視野は平均120度と言われており、135度の広角というのは自分の目で見るより広い。

 さらに、Pop-out Pictureといって、二つのカメラで同時に撮影をし、写真を重ねて1枚にする機能もある。写真をより立体に見せる効果があるので、アート感覚で自分なりの作品を作ることもできる。スマートフォンで写真を撮ってSNSに載せるのが大好きな人にとって、「G5」はこの上ない端末である。