いわゆる“バズる”コンテンツやゲームを中心としたアプリを作っているカヤックの柳澤氏に話を伺った。平均年齢が20代という若い企業は、「面白法人」とさえ銘打たれている。常に面白いものを追求する姿勢の会社だ。彼らにとってパソコンはどんなデバイスに映っているのだろうか。アプリや各種コンテンツを見るための主役は、スマホやタブレットに移っているような気がしてならない。だとするなら、その理由は何なのだろうか? じっくりとお話を伺っていこう。

カヤックでは、Webのキャンペーンサイトやスマホのゲームなどを手がけていますが、制作者が興味や関心のあるものを作れる環境が整っているのでしょうか?

柳澤 思想的には「面白いものを作ろう」というところを目指している会社です。ターゲットにする年齢層は幅広いのですが、原則的にインターネットユーザーに重なりますから、一般的な人口構成と比較すると若くなると思います。

面白法人カヤック代表取締役CEO(最高経営責任者)の柳澤(やなさわ)大輔氏。(撮影:村田 和聡)
面白法人カヤック代表取締役CEO(最高経営責任者)の柳澤(やなさわ)大輔氏。(撮影:村田 和聡)
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以前は、パソコン向けのサイト、スマホ向けのサイトなどと、ターゲットにするデバイスによってWebページも分かれていましたが、最近も同様でしょうか?

柳澤 アプリの開発では、iOSとAndroidの割合や機種ごとの比率を検討するのが普通ですが、ブラウザーに関しては、そういう議論を聞かなくなりました。カヤックの場合は、端末やブラウザーの種類を考えるより、どうやってバズらせるかということに焦点が合っていると思います。実は、機種対応の苦労は、この20年ずっとあります。デバイスやユーザーの環境に合わせて作って行くのは大変です。どこを共通化し、どこを独自対応するかを常に考えていきます。そこでは常にコストや労力を考えています。