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ITアーキテクト 心得かるた

第39回 ゆ・・・UXで 使いたくなる システム作り

成瀬 泰生=富士通クオリティ&ウィズダム チーフアーキテクト 2015/12/18 日経コンピュータ

 コンシューマー向けのクラウドサービスやスマートフォンが浸透してきたことで、ユーザー体験と訳される「UX(ユーザーエクスペリエンス)」が話題に上る機会が増えている。ITアーキテクトにとってもUXは重要である。なぜなら「体験」そのものは利用者の個人的なものであるが、UXデザインでどんな「体験」をしてもらうかを計画し、「体験」が量産・再生産されるシステムを構築する作業には、ITアーキテクトの力が必要不可欠だからだ。

 UXは人間中心設計の国際規格であるISO9241-210で「製品・サービス・環境との対話操作の結果による、あるいはそれによって予期される、ユーザーの感動、信念、好み、ふるまい、成果のすべて」と定義している。これまでICTシステムで作ってきたUI(ユーザーインタフェース)はシステムの画面や帳票を差し、古くはマン・マシン・インタフェースと呼ばれていた領域が拡大したものである。UXはUIを含むがもっと概念が広い。

 UXは「UXハニカム」の7要素(usable:使える、useful:役立つ、desirable:魅力的、accessible:誰もが扱える、credible:信頼できる、findable:見つけやすい、valuable:価値がある)が有名だが、今回は理解しやすい「UXピラミッド」の4階層(usable:使える、useful:役立つ、desirable:魅力的、delightful:心地よい)を用いて順番に解説する。

効率を重視した操作性がベース

 最下層(第4層)のusableとは利用者の業務に適合している必要があることを指す。ICTシステムは機能面での充足性が問われるため、usableはシステムのベースラインであるともいえる。

 現場では利用者に「使いにくい」と言われつつ、業務遂行上で必須のシステムが稼働しているものだ。むしろ、利用者に誤操作させないようにするフールプルーフなチェック機能や異例処理が充実していたり、コードでの入力やTabキーでの移動ができたりすることは、初心者には使いにくくても熟練者には効率的だったりする。工場システムでも、少しでもタッチ数を減らすことを求められることは多い。

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