今回はWebアプリケーションの変遷を振り返り、今後を展望する。WebアプリはICTシステムの主流であり、社内には様々な“世代”のWebアプリが混在する今、来し方行く末を知ることはITアーキテクトにとって欠かせない。

 1991年に発案されたWebブラウザーは瞬く間に利用者が広がり、TCP/IPベースのWebアプリのクライアントソフトとして必須となった。Webサイトの根幹の仕組みであるHTTPプロトコルやHTMLは、機能を拡張したHTTP/2やHTML5へと発展の様相を見せている。

 Webアプリは利用面でも進化している。当初は単純な一問一答の画面インタフェースを提供する静的なアプリが多かったが、動的なコンテンツを支援するモジュールとしてJavaアプレット/ActiveXが登場し、現在はJavaScript実行基盤へと拡張された。現在、HTTPはアプリケーション間通信を支えるWebAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)のプロトコルとしての立ち位置も定着している。

静的から動的に進化するクライアント

 WebアプリにおけるWebブラウザーの基本機能は、HTTPによるコンテンツの要求とHTMLによるコンテンツの表示だ。URLベースでコンテンツを要求し、得られたHTMLを解釈して画面に表示する。

 コンテンツ要求時にパラメータを付加できるので、入力データを付加して要求データを送信する。仕様上、上り(入力データ)と下り(表示データ)はプロトコル的に独立(非同期)しているため、連続して上らせることも下らせることも可能だ。これは、送信ボタンをダブルクリックすると上りが2通連続してしまうといった事態にもつながる。