今週は、通常の「極言暴論」とは趣向を変えた「極言暴論スペシャル」を4回に分けてお届けしている。日経コンピュータ誌上で、元ソニーCIO(最高情報責任者)で、現在ガートナー ジャパンのエグゼクティブパートナーを務める長谷島眞時さんとバトルを演じることになったので、それを事前に盛り上げるための企画だ。

 長谷島さんはソニーのCIOとしてIT部門改革を成し遂げた人だ。その長谷島さんと誌上バトルを行うことになった経緯は、この極言暴論スペシャルの1回目の記事を参照してほしいが、話を丸めて書くと、長谷島さんはどんなIT部門でも改革できると信じているし、私は大半のIT部門は劣化が進み改革は不可能と断じている。そんなわけなので、一度ガチンコ対決をしてみようという話になったのである。

 日経コンピュータでの誌上バトルは、10月2日号から「IT部門への“暴論”を斬る」と題する連載として掲載する。毎回、私の極言暴論を一つ取り上げ、長谷島氏が反論を書く形となる。この極言暴論スペシャルでは、そこで取り上げる極言暴論を先出して執筆するが、今回はタイトルの通りIT部門そのものを取り上げる。

 まさに長谷島さんと私との間の最大の争点である。私から言わせると、歴史の必然として劣化してしまったIT部門はもはや、いま企業で求められているIT機能を全く担えなくなっている。その寿命が最終的に尽きる前にとっとと“終活”し、必要なIT機能を担う新たな組織を立ち上げたほうがよい、とさえ思う。

 こうした“IT部門の終活”系の話は、通常の極言暴論でも何度か書いてきた。ただ、論争の天王山のため、なぜIT部門はもうダメなのか、私の主張を歴史的経緯なども踏まえ、ロジカルに示しておきたい。長谷島さんはそんなIT部門をどうやって再生させようというのだろうか。