「あのニュースをどう思う」と社長から問われたとき、どう答えるか。社長が抱いた疑問の「範囲」を明確にして、何を聞きたいのかを確認する。こちらで範囲を決め、社長が得意な話題に誘導してもよい。「社長ならどう聞くか」と、日ごろから考えておくと気の利いた答えを返せる。

 「このところ新聞をにぎわせているビットコイン、要するに何なのか」。所属している組織の社長や責任者、あるいは顧客に当たる組織の社長や責任者からこう聞かれたら、あなたはどう答えるだろう。

 これはWebサイトITproで3月14日に公開した「記者の眼」の記事、『社長から「ビットコインとは何だ」と聞かれたら』の冒頭である。同記事では、「よく分からないものが登場したときに社長が聞きたくなる質問一覧」を想定し、列挙した。

 『社長から「ビットコインとは何だ」と聞かれたら』という同一のお題を使って、以下では回答例や回答する際の姿勢、日ごろから注意しておくとよいことについて改めて書いてみたい。

 たまたま読んだ新聞や雑誌の記事について社長が質問してくることはあり得る。日経ビジネスが4月21日号で特集記事『ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状』を掲載しており、社長がそれを読むかもしれない。

 ビットコインは一つの例にすぎないが、このように経済やビジネス、さらにIT(情報技術)に関わる話題は色々ある。そうした話題が登場したときに、社長が「ITに関係することだから、情報システム部長の顔を見たら聞いてみよう」と思ってくれたら、情報システム部長や担当者にとって貴重な機会である。