木下雅之氏
木下雅之氏
1978年3月、東京大学経済学部卒。同年4月に、三井物産 鉄鋼総括部入社。2004年4月に経営企画部長に就任。同年11月に欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)構築に携わる。2008年に執行役員金属資源本部長、2011 年に常務執行役員CIO兼CPO。2014年より現職。(写真:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 当社の強い事業分野に先進的なITを取り込み、イノベーションを推進する。これが私のミッションだ。そのために、社内システムを統括するCIO(最高情報責任者)とイノベーション推進の担当役員を兼務している。

 新しい事業を育てるためには、支援する組織体制を整えないといけない。新規事業などに関する投資判断の速度を高めるため、「イノベーション推進委員会」を2012年に設置した。委員長は私が務め、各事業の統括部長とシステム部門長など10人程度が参加し、意思決定している。

 イノベーションにはリスクが付き物。この委員会では、ハイリスク・ハイリターンと思える案件であっても、できるだけ認めるスタンスで投資判断を下している。多少の失敗は覚悟の上で、新しくて難しい案件に挑戦してもらうためだ。

 この委員会で承認する案件のほとんどが、ITの利活用なくしてできない。当社が手掛ける事業分野は、エネルギーや農業、インフラなどと幅広いが、いずれの分野でもイノベーションを起こすために、ITの活用は不可欠になっている。