大熊 眞次郎氏
大熊 眞次郎氏
1986年カシオ計算機に入社。1990年から北米販売会社に駐在、電子楽器や時計などの販売企画業務を担当。1997年から北米販売会社の基幹システム構築・導入のリーダーを務める。2002年に本社に帰任し、システム部門(当時は業務開発部)に異動。2012年から現職。(撮影:陶山 勉)
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 事業に直接貢献できるようなIT化を進めること。これがシステム部門の重要な役目になる。当社の場合、グループ全体の基幹系システムをERP(統合基幹業務システム)パッケージで統合したり、クラウドサービスを使って情報共有システムを整備したりするなど、バックオフィス系のシステムに関する仕事については効率化を図ってきた。システム部門は事業部門の業務要件をまとめてシステム化するという仕事から、事業の成長に貢献するような業務を求められる比率はますます高まるだろう。

 今、力を注いでいる領域は大きく三つある。データ活用、デジタル化、グローバル対応だ。データ活用については、蓄積したデータをどう生かすかということ。社内に眠っているデータと外部のデータを意味のある情報として利用部門に提供し、新たな気づきを与えるような仕組みを作っていきたい。

 私は元々、米国や欧州向けの電子楽器のセールスマーケティングの仕事をしていた。その当時、販売データを分析するためのITシステムを整備する業務に携わったが、いろいろ苦労した経験がある。こうしたことを防ぐためにも、システム部門は利用部門のデータ活用ニーズを察知していく必要がある。

 ビジネスのデジタル化への対応も重要な仕事。事業の拡大に必要なITシステムを、事業部門と一緒に考えて作るということだ。既にこうした取り組みを進めている。例えば、店舗向けの販促ツール「カシオサイネージ」がその成果物の一つだ。

 当社は2016年3月期の営業利益率15%という目標を掲げている。そのためには、商品やサービスのネットワーク連携を推進していくことが欠かせない。グルーバル対応というのは、海外売上高比率が7割の当社にとって避けて通れないテーマ。様々な情報化案件に関して、常にグローバル化を意識して取り組む。