平野所長(以下、平野):う〜ん。まさか、そんなことがあるとは・・・・・・。

直井研究員(以下、直井):どうしたんですか所長。所長が悩んでいるなんて。所長の手に負えない難事件ですか?

平野:確かに難事件だね。こんなに悩んだのは久しぶりかも。

直井:とうとう私の出番ですね!お任せください!

平野:なんだか頼りないな。

直井:そう言わず。まずは話を聞かせてください。

平野:メールのコミュニケーションは不確かなものだよね。相手が読んでいない可能性も頭に入れながら対応すべき。ずっと、そう話してきた。

直井:はい。「絶対に届いているはずだ」って決めつけてメールのやりとりをしていると、どこかでトラブルになります。100回のうち2〜3回そういうことがあるなら「もしかして届いていない?」と思った瞬間に確認をした方がトラブルを未然に防げます。疑いすぎるのもよくないですが、相手に対する気づかいはコミュニケーションの基本ですね。

平野:そうなんだ。合理的に考えてもそうだし、コミュニケーションをよくするためにも、相手に気をつかったり、先を読んだりするのは、すごく重要なことなんだ。

直井:でも、それに反する事件が起こったんですね!

平野:そうなんだ。実は、「言っていることは分かりますが、うちの会社はメールを読んでいない人が悪いというのが常識です。これは変わりません」と指摘されたんだ。

直井:そうでしたか。でも、いつも通り、事例を交えて説明したら納得していただけるのではありませんか?

平野:いやぁ。それも無理だったんだ。