直井研究員(以下、直井):所長〜。助けてください。

平野所長(以下、平野):どうしたんだい?

直井:板挟みなんです。板挟みが大変で、もう厚さ5ミリなんです。

平野:大丈夫だよ。まだ50センチくらいあるから。○○制作の久保さんと○○企画の丸山さんの件かな。

直井:そうなんです。

平野:あちらを立てればこちらが立たず。これは仕方がないことだよ。自分の利益だけを考えてもだめ。双方の利益の折り合いがつく点を見つけないとね。

直井:丸山さんからいただいた要望や質問を整理して、久保さんに連絡します。丸山さんからいただいたメールの内容がちょっと分かりにくいので、情報を整理して全部書き直して送っています。そうすると、今度は久保さんからも、ちょっと分かりにくいメールが届いて。意図を確認して、要約をして……大変です。このようなやりとりが、もう1週間も続いています。

平野:間に入ると、その調整に手が掛かることは多い。でも、間に入って仕事をするということはそういうことだよ。調整役の力量で仕事の進み方も変わるからね。

直井:所長、代わりにお願いできますか?

平野:何を言っているんだ。

直井:それでは、直接やりとりをしてもらったらダメでしょうか。お互いが分かりにくいメールを送っていることに気付いて「直井さんがいたから円滑だったんだ!」って感謝してもらえるはずです。1回だけ、お願いします!

平野:ダメだよ!!そんな手抜きは許さない。

直井:じゃあ、受け取ったメールを直接転送してもいいですか?「丸山さんは、このようにおっしゃっています。発言をそのまま転送します」と書いて送るだけなら、手間も減ると思うんです。

平野:直井さん・・・・・・社外へのメールの転送は原則NGだ。今回の場合も、丸山さんと久保さんからいただいたメールの一部を用いて伝えるのはよいが、発言そのままの転送というのはよくないよ。そもそも、分かりにくいメールなんだよね?

直井:やっぱり、ダメですよね。楽できないなかぁ・・・・・・。

平野:今日は、どうしてそのままの転送がダメなのか。どんなトラブルが起こるのか。そのことについて解説しよう。今日の話を聞いたら、安易に転送をしようなんて思わなくなるはずだ。