平野所長(以下:平野):ちょっと直井さん、さっきのメール、誤字が多いよ。
直井研究員(以下:直井):あれれ…。すみません。
平野:ケアレスミスだね。慣れてくると、ついつい過信して、普段できていることを間違えたり、失敗したりすることがある。これを機に、もう一度、自分のメールに目を向けてみるとよいだろう。メールは慣れてきた頃が一番危ないからね。
直井:気をつけます。思い返してみると、初めは、できていないと分かっているから、誤字や脱字がないか何度も確認したり、CCを入れるかどうかを考えたり、敬称が付いているか何度も確認したり、添付ファイルの付け忘れがないか確認したりしていました。でも、慣れてくると「誤字はないだろう」「添付ファイルを付け忘れることはないだろう」と思い込んで、確認しないで送ってしまうこともあります。
平野:まさに、今回じゃないか。まぁ、反省しているようだね。せっかくだから、もっと前に戻って考えてみようか。たとえば、直井さんは、「敬称を付ける」ということを知っているわけだ。だから、敬称の付け忘れがないかを確認できるんだよ。それすら知らなかったら、どうなると思う?
直井:知らなかったらできないです。もちろん、確認のしようもありません。でも、それって当たり前のことです。
平野:そうだよね。では、もうちょっと分かりやすいように、メールでやるべきこと、ルールと言ってもいいかもしれない。それを、このホワイトボードに書き出してごらん。
直井:えっと……相手の名前に敬称を付ける。挨拶は、状況によって変えてもよい。あとは……。