写真1●10代たちのソーシャルメディア利用について保護者が知っておくべきことは少なくない(写真はイメージ)
写真1●10代たちのソーシャルメディア利用について保護者が知っておくべきことは少なくない(写真はイメージ)

 これまで本連載では、中学生と高校生を中心とした10代たちがソーシャルメディアなどで直面する問題やその利用実態を伝えてきた。突然だが、この『「ソーシャル新人類」の不夜城』の連載は次回が最終回となる。そこで今回は、これまで書いてきた10代の利用実態とともに、保護者が知っておきたいポイントをまとめて紹介する(写真1)。

ソーシャル新人類の夜は明けない

 まず、連載中に何度もニュースで取り上げられたソーシャルメディアの乗っ取り事件について。日常のメッセージングツールとして広く浸透したLINEの乗っ取りは、大学教授やタレントなどだけでなく、IT系企業の社長や社員といったITリテラシーが高い人も被害に遭うなど、もはや他人事ではなくなっていた。

 これに関連した取材をして感じたのは、IT系企業の社長や社員、IT誌の編集者、学校教員などに、自分の子どものネット・SNS利用に悩んでいる人が多いということ。自身のITリテラシーが高く知識があっても、自分の子どものネット・SNS利用に問題が起きないとは限らない。

 例えばあるIT企業社長の息子である小学5年生男子は、家にある無線LANのパスワードを破り、家族に無断でインターネットにアクセスしていた。ある高校教諭の娘である中学2年生女子は、家にいる間は延々とLINEを利用し続けていて、その影響か成績が下がり始めるなど両親の気をもませているという。

 ある中学校では、携帯電話の校内持ち込みを禁止している。ところが体育祭などの後に教員が帰宅すると、携帯電話で撮った体育祭の写真がSNS上に多数アップされている状態という。校内で生徒が隠し撮りした教員の写真や動画がSNSで共有されていたこともある。校内の情報やプライバシーは外部へ筒抜けというわけだ。