FacebookやTwitterを使っているとよく見かけるのが、「○○診断」の結果だ。種類は実に多種多様で、「△△(戦国武将、アニメキャラなど)で言えば○○タイプ」系や「右脳派、左脳派」系などがある。

写真1●診断メーカーはユーザーが質問に答えることで診断を下す(写真はイメージ)
写真1●診断メーカーはユーザーが質問に答えることで診断を下す(写真はイメージ)

 基本パターンはほぼ同じで、質問などに答えると、「あなたは○○タイプです」という診断が下され、その結果をSNS上で友達などとシェアする仕組みだ(写真1)。誰かがその結果を掲載すると、それを見たまわりの人が次々と自分の結果を公開するといった形で伝播し、ニュースフィードが診断結果であふれかえることもある。

 中学生や高校生のニュースフィードやタイムラインは、バトンやチェーンメールなどとともに、様々な診断結果であふれているという。ではこうした診断をする「診断メーカー」には危険性はないのか。診断メーカーを作成する企業の意図やビジネスモデルは何なのか。若者たちにある心理的理由と併せて考えてみる。

診断メーカーのビジネスモデルとは?

 診断メーカーは、占いのような側面があり、つい試したくなる見た目をしている。ユーザーが勝手に利用して広めてくれるため、拡散力が異常に高い。提供側が利用しているのがこの拡散力なのだ。

 これまでにも、診断メーカーにはいくつもの問題が明らかになっている。有名なところではFacebookアプリの「自分新聞2013」が挙げられる(写真2)。その年1年間の自分の投稿で、友達の反応が高かったものを新聞風にデザインして見せてくれるというアプリで、自分に「いいね!」をしてくれた友達をランキングにして見られるようになっている。

写真2●Facebookアプリの「自分新聞2013」
写真2●Facebookアプリの「自分新聞2013」

 実は同アプリを利用するためには、無関係な「ハーバード流宴会術」や男女のマッチングサイト「omiai」のFacebookページに「いいね!」する必要がある。つまりFacebookの「(友達の)○○さんが『いいね!』と言っています」という、友達の「いいね!」を活用するタイプの広告と連携しているのだ。

写真3●自分新聞をスパムとする指摘に対して運営会社が公開した釈明文
写真3●自分新聞をスパムとする指摘に対して運営会社が公開した釈明文
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 ユーザーは「自分新聞」を利用したいだけなのに、そのためにはマッチングサイトの広告に自分の名前が「いいね!」付きで表示される可能性も受け入れなくてはならなくなる。

 同アプリは2012年にもスパムアプリであるとネットで騒がれたため、運営会社が釈明文を公開している(写真3)。それでも2013年も同様の仕組みが残ったままだった。