中学生・高校生は、インターネットで築く人間関係に関してどのように考えているのだろうか。NHKが実施した「中学生・高校生の生活と意識調査・2012」からその実情を追ってみた。

 「インターネット上での人間関係についてふだん感じていること」という質問に対しては、「人間関係のトラブルが起きやすい」(29.9%、以下すべて中学生・高校生の平均)、「面と向かって言いにくいことも伝えやすい」(22.8%)、「友達が増える」(21.1%)、「メールの返信や、書き込みをするのが面倒だ」(16.5%)、「自分を表現する場所ができる」(14.7%)、「友達のメールや書き込みが気になってしかたがない」(9.0%)となっている。

 インターネットを友達が増えたり、自分を表現したりする場として肯定的にとらえる一方で、トラブルにつながりやすく面倒と感じる割合も高く、友達には非常に気を遣っていることが分かる。これは、SNSを使う子どもたちの問題を端的に表している。

 SNSを通した人間関係では、相手に気を遣うだけではない。むしろ相手を「数字」としてのみとらえ、非常にドライな割り切りをすることがある。

ゲームをリセットするように「ブロック」

写真1●SNSでブロックや友達削除された側の心理的ダメージは大きい(写真はイメージ)
写真1●SNSでブロックや友達削除された側の心理的ダメージは大きい(写真はイメージ)

 SNSでブロックや友達削除をすると、相手から連絡がとれなくなったり、自分のプロフィールや投稿などが相手に見られなくなったりする。一般的には、「ブロック」「友達削除」=「もう友達ではない」とか、「つきあいたくない」ことを意味する行為だ。それだけにブロックや友達削除された側の心理的ダメージは大きい(写真1)。