IT業界のSEマネジャーや営業担当者(以下、営業)の中には優秀な人間もいるが、そんな人ばかりではない。中には顧客を訪問しないSEマネジャーや、自分がSE時代に経験したシステムや製品しか知らないSEマネジャー、またSEを子分のように扱う営業、技術を勉強しない営業など、いろんな人がいる。

 彼ら彼女らは、ある意味でSEマネジャーや営業失格である。失礼な表現をあえて使うと“馬鹿なSEマネジャーや営業”と言えよう。しかもIT業界には、そんなSEマネジャーや営業が少なくない。

 するとSEは、そんな馬鹿なSEマネジャーや営業と仕事をするときは苦労をする。往々にして、彼ら彼女らと噛み合わなくて揉める。文句も言いたくなる。不満も持つ。

 また、酒の場などでは「SEマネジャーの誰々は顧客が分かっていない。顧客や営業の言う通りにする。相談しても話にならない。頭に来る」とか「あの営業はSEの気持ちが分かっていない。技術の勉強もしない。SEに仕事を押しつける。変な提案をする。冗談じゃない」などのたぐいの愚痴を言う。

時には馬鹿なSEマネジャーや営業と闘う必要がある

 だがSEは不満があっても愚痴を言っても、会社員である以上、そんなSEマネジャーや営業と一緒に仕事をせざるを得ない。SEの中には彼ら彼女らのやり方が気に食わなければ、喧嘩してでも自分の考えを通す人もいるが、そんなSEは少ない。そして多くのSEは文句や愚痴を言いながらでも、結局はSEマネジャーや営業に渋々従うことになる。

 SE経験のない人にはこれは分からないと思うが、これが第一線のSEの世界の現実である。しかもそれが長年続いている。