SEにはいろんな仕事をしている人がいる。大規模プロジェクトで仕事をしているSEもいれば、小規模プロジェクトを担当しているSEもいる。また保守の仕事をやっているSEもいれば、販売活動をしているSEもいる。

 そしてプロジェクトをやっているSEには、要件定義を行っているSEもいれば、アプリケーションの設計やプログラムの開発を担当しているSE、ネットワークを担当しているSE、OSを担当しているSEなど、いろんなSEがいる。また、担当している顧客は大企業から中小企業まで様々である。そしてSEが関わっているシステムやIT製品には、仕事によって先進的なものから古いものまでいろいろある。

 そんな仕事をしているSEは、ビジネスと顧客のために日ごろ懸命に頑張っている。だが、彼ら彼女ら全員が全員、自分がやりたい好きな仕事をやっているわけではない。気が進まない仕事をやっているSEもいれば、与えられた仕事を仕方なくやっているSEもいる。

 そこには嫌な顧客だったり、同じような仕事ばかりだったり、顧客が遠距離だったりするなど、いろんな理由があるが、その一つにその仕事が自分の勉強になるかどうかという問題もある。これはきっと技術屋特有のことだと思う。SE経験のない方はピンとこないと思うので、これについて少し説明する。

「自分は恵まれていないようだ」

 SEというものは「ITに強くなりたい、より難しい仕事をやりたい」という気持ちが強い。そして、そのためにはSEは誰しも、古いITより先進的なITの仕事、小規模プロジェクトより大規模プロジェクトをやりたいと思う。ベテランのSEならともかく20代、30代半ばくらいまでのSEは、その気持ちが特に強い。これは打算などではなく、技術屋の本能である。