光ファイバーをデータ通信以外の用途で実用化する例が相次いでいる。給電やセンシングに応用する。電力や電気信号を光で伝送することで、電源や電気信号線を不要にできる。社会インフラ監視などの用途において、電源が水没して機能しなくなったり落雷で信号線が雑音の影響を受けたりするリスクをなくせる。

 2011年3月11日の東日本大震災では、福島第一原子力発電所の電源機能が水没によって喪失した。この事故を受けて、地下に置くことが多い非常用電源を屋上など上階へ設置する動きが、商業ビルなどへも広がっている。しかし、そもそも電源をなくすことができれば、水没による影響をなくせる。

 古河電気工業(古河電工)は、2014年3~4月、遠隔地の災害監視用途に向けて、「光給電カメラ」(関連記事1)と「減災センサー」(関連記事2)をそれぞれ発表した。いずれも光ファイバーを使って、電源や電気設備の課題をなくす狙いがある。以下、ここから非通信用光ファイバーの事例を紹介する。