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経営者に現場が見えない、不正であばかれた日本企業の構造問題

木村 岳史=日経コンピュータ 2018/01/11 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2017年12月21日号p.67
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 「経営判断に必要な情報は全て現場にあると思っている。大学院でシステムをやっていたので、情報処理の重要性も分かるが、大本の現場を見ないと駄目だ」。6年前の2011年に東レの日覚昭広社長にインタビューした際、「経営判断に役立つ情報が見られるシステムが必要では」と私が問うと、日覚社長はこう答えた。

 日覚社長は他の日本企業の経営者と同様に現場を重視する人で、現場を見ずに四半期決算などのデータだけを追うような経営を強く戒める発言が記憶に残っている。30年間も累積赤字を抱えながら炭素繊維事業を育てた、日本企業としての現場力と経営判断に対する強い自負もうかがわれた。

 ところが最近、日本企業の現場がおかしい。神戸製鋼所のほか日産自動車、SUBARU、三菱マテリアルの子会社、そして東レの子会社で現場の従業員による不正行為が相次いで明らかになった。不法行為か契約違反か、あるいは件数の多寡などによって深刻度に差があるが、いずれも「日本製」への信頼を損なうという点は共通する。

 問題なのは、各社とも現場の不正を長期にわたって経営者が把握できなかったことだ。経営者が「現場を見なければ駄目だ」との信念を持っているにもかかわらず、現場で何が起こっているのか把握できないでいる。現場力を強みとする日本企業にとって極めて由々しき事態と言わざるを得ない。

現場を統制するシステムの不備

 「長期にわたり慣行のように行われてきた現場の不正行為を、経営者が把握するのは難しい」との指摘がある。だが、そう言って済ませるわけにはいかない構造的な問題もある。国産コンピュータメーカーの幹部がこんな指摘をしていた。「企業組織が大きくなると、経営者は現場を見ているつもりでも、各現場に割り振った数字(予算の達成度)しか見えなくなる」。

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