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優秀なシステムほど恐ろしい、たまの緊急事態に対処できず

木村 岳史=日経コンピュータ 2017/10/12 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2017年9月28日号p.109
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 読者のみなさんに簡単な問題を出したい。「トラブルが半年に一度発生するシステムと、5年に一度しか発生しないシステムでは、どちらが深刻な事態になるか」。まずは最近発生した事件について見たうえで、答えについて検討してみたい。

 2017年8月29日、北朝鮮がミサイルを発射した際、Jアラート(全国瞬時警報システム)は警報を発したものの、各地で情報伝達がうまくいかないトラブルが「また」発生した。

 総務省消防庁によると警報の対象は12道県617市町村だが、24市町村において情報伝達に支障が生じたという。理由は様々だが、「Jアラート関連機器の設定誤り」が5件、「登録制メール配信システム関連機器の設定誤り」が8件など、人為的ミスをうかがわせる要因が大多数を占めた。

 「また」と書いたのは、Jアラートはこれまで何度も、動作不良や誤報を繰り返してきたからだ。2016年11月にも、茨城県の自治体で震度5弱の地震が発生したにもかかわらず、Jアラートは作動しなかった。トラブルが発生するたびに「国民の生命や財産の安全を守るシステムがこれでは」といった批判の声が上がるが、問題はなぜトラブルが繰り返されるのかである。

 個々のトラブルの原因を精査して教訓にするのは当然だが、トラブルが頻発する理由については、別の観点から検討する必要がある。別の観点とは「災害などの緊急事態はたまにしか発生しない」という点だ。

 この「たまに」というのが曲者である。多くの自治体では、防災担当の職は兼務であり、担当職員は日常業務を抱えている。もちろん定期的にJアラートの一斉訓練が実施されているが、職員の人事異動もある。全国約1700もの市町村のすべてで、たまに起こる非常事態に対して万全の対応を取るのは不可能に近い。

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