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若手技術者の「失われた5年」、みずほ銀のシステム統合に透ける基幹系問題

木村 岳史=日経コンピュータ 2017/09/14 日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2017年8月31日号p.20
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 「あの案件が終わると多くの技術者が戻ってくるが、あてがう仕事が無い」。大手ITベンダーの幹部が思わずつぶやいた言葉を思い出した。あの案件とは、みずほ銀行の勘定系システムの統合プロジェクトのことだ。

 みずほ銀行の次期勘定系システムは2017年7月末に完成したとのこと。今後は利用部門によるテストや切り替え手順の確認、システムの切り替えリハーサルなどを順次実施し、2018年秋にも切り替えを始めるという。既に山を越えたわけで、IT業界を挙げて大量に動員された技術者の多くが、プロジェクトを離れつつあるはずだ。

 IT業界では技術者不足が続いているから、「あてがう仕事が無い」といっても開発案件が不足しているわけではない。プロジェクトがあまりに巨大で特殊なため、参画した技術者の経験値を生かす場が少ないという意味だ。

 ピーク時には7000~8000人規模の技術者が動員された。プロジェクト開始から5年間にわたり、ずっと張り付いた技術者もいるだろう。前例の無い困難なプロジェクトのため、さぞや鍛えられたことだろうと思いたいが、実際はそうでもないらしい。

 銀行の勘定系システムは産業全体からみると特殊なシステムだ。しかも超が付く大規模プロジェクトのため、全体を取り仕切るプロジェクトマネジャーら一部の要員を除けば、各技術者の担当はほんの一部分。特に20~30代前半の若手は開発チームの一人として、数年前に決められた仕様に基づく作業が求められる。巨大なピラミッドの末端を担う仕事はそれなりにやりがいがあるが、技術者のキャリアパスの観点では理想的とは言い難い。

 30代半ばごろまでは技術者の基礎を固める時期だ。例えば小売業担当の技術者なら様々な企業の案件をこなし、30代になれば小規模ながらもプロマネとして修羅場を経験したりする。IoT(インターネット・オブ・シングズ)などの最新技術を盛り込んだシステムの提案活動を担ったりもするだろう。若いころの5年間のこの差は大きい。

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