「法外な開発料金の見積もり根拠、『客には絶対に言えません』」を読みました。発注側であれ、受注側であれ、システム開発に関係する人間なら誰でもが気になるテーマでしょう。

 客には絶対に言えないという法外な見積もり根拠の理由について、記事は以下のように説明しています。

 「そのユーザー企業が“危ない客”だからだ。プロジェクトの途中で要件が揺らいだり膨らんだりするリスクが高い。ただ、見積もりの根拠を聞かれて『おたくは危ない客だから』とは言えない。危ない客には絶対に理由を説明しないが、リスク分を反映した料金を提示する。これがITベンダーの営業担当者の“掟”だ」

 なるほどと思いましたが、筆者にとっては意外な答えでした。

 何年か前に、IT会社に勤務する知人から法外な見積もりの理由を聞いたことがあります。「自分の売り上げ予算を達成するために必要な金額を提示した」というものでした。意外でない答えというのでしょうか。妙に納得したのを覚えていたから、意外な感じがしたのです。

 知人が提示した見積もりは数千万円でしたが、顧客が想定していた予算は数百万円といいます。知人の提案は、既存システムの改修という顧客の希望とは異なる、ERPパッケージによる全面再構築でした。

 機能面で向上するのは間違いありませんが、果たして顧客にとって最善の提案と言えるのかどうか。結論は出ていません。