SDNという言葉を聞く機会が増えています。現時点ではまだ通信事業者やデータセンター事業者にとってしか現実的ではない技術ではないかと考えていたのですが、とんだ思い違いでした。

 「システムの広域バックアップにSDNを活用、NEXCO西日本が講演」という記事を読んでの感想です。NEXCO西日本は、4カ所の道路管制センターで、交通管制システムを相互にバックアップするためにSDNを採用したのですが、効果はそれだけにとどまりません。少し長いのですが、以下に引用します。

 「SDNによってネットワークの可視化できるようになり、故障やトラフィックなどの監視が容易になった。

 全45拠点をメッシュ状に配置したことで通信経路を自由に変更できるため、ネットワーク工事などの際の事前対応が容易になった。拠点間の接続部分を工事する前に、該当部分のネットワークを使わないように迂回設定ができる。

 一つの物理ネットワークに複数の論理ネットワークを収容できることもメリットである。実際にNEXCO西日本では、交通管制システムの他に、社内LANシステムやETCシステム、ネットワーク監視システムなどを同時に収容している。

 新たなアプリケーションやシステムを開発する際にも、物理ネットワークを新規に構築する必要がない。論理ネットワークを追加するだけで済むため、ネットワーク構築にかかる費用や期間を短縮できる」

 SDNの凄さを実感させられました。これからも追いかけていきます。

 SDNそのものがまだ分かりにくいところもあるのですが、こちらについては「世界で一番わかりやすいSDNの話」という連載が参考になりました。特に1回目の「ユーザーを煩わせずネットワークを構築、実体は自動化したソフトとハードの集合」は、OpenFlowの開発者を登場させることで、本当に分かりやすい記事になっています。