「SAPジャパンが初のウエアラブル対応製品、倉庫・サポート業務をハンズフリー化」という記事を公開しています。同じITといっても、ERP(統合基幹業務システム)大手のSAPとウエアラブル端末の間には一見、距離がありそうですが、現実には業務用途がウエアラブル普及のきっかけになるのではないかと感じてます。

 スマートフォンと異なり、両手を自由にしたまま使えるウエアラブル端末は、SAPのソリューションが示しているように、倉庫や機器整備の現場で確実に力を発揮すると考えるからです。ウエアラブル端末ではありませんが、ヘッドセットと音声認識のシステムを組み合わせて、倉庫内での業務効率を向上させるソリューションで成果を上げている企業も存在します。

 ひょっとしたらSAPがウエアラブルの先兵として語られる時代が到来するのではないか、などと想像するのですが、当のSAP自身は冷静なようで、記事には担当者によるコメントを含めた以下の一節があります。

 「業務分野でのウエアラブル機器の利用について『ソフトウエア側には制約はほとんどないが、ハードウエアにまだ多くの制約が残っている』と指摘する。現状の制約として挙げたのは、(1)バッテリーの持続時間、(2)画面の解像度、(3)カメラの視野角、(4)重さ、の4点。(1)については「現状では連続して使えるのは3、4時間程度。業務に使うのであれば、連続で8時間利用できるのが望ましい」

 技術的な課題はいずれ解決するでしょう。SAPがウエアラブルの世界でどんな存在感を見せるのでしょうか。