「エリクソンが138年間にわたって生き残ってきた理由」と「ソニーモバイル新社長は中国向け事業を大幅縮小へ、第2四半期業績説明会で」という記事を公開しています。前者はエリクソン・グループの社長兼CEO(最高経営責任者)へのインタビューで、後者は苦境の続くソニーの携帯事業に触れた記事です。

 エリクソンとソニーは、現在のソニーモバイルコミュニケーションズの前身である合弁会社を作って、携帯端末事業を手掛けていました。いち早く端末の分野から抜けたエリクソンが堅調なのに対し、自社製スマートフォンにこだわるソニーは苦境から脱することができません。

 二つの記事を読むと、両者が明暗を分けた本質とも読める、対照的なコメントが見つかります。

 まず前者から、エリクソンのハンス・ヴェストベリ社長兼CEOの言葉を引用します。

 「エリクソンのようなポジションにある会社にとって最も重要なのは、正しいペースで変革を続け、顧客との関係を維持し、業界をリードするポジションを保つこと。それこそが私とエリクソンのエグゼクティブチームが常に取り組んでいることだ。

 それはどれだけ早く自分たちを変えることができるか、研究開発と買収に際してどれだけ素早く違う分野から資金を移すことができるかといったことが含まれる。それこそが課題であり、エリクソンが138年間にわたって生き残ってきた理由でもある」

 後者からは、11月16日付でソニーモバイルの社長兼CEOに就任する、ソニー 業務執行役員SVPの十時裕樹氏の言葉です。以下に引用します。

 「モバイル事業の収益性を高め、収益基盤を強化することが私の使命。業界全体のスピードに追いつけるよう、経営スピードを上げたい」

 経営の決断とスピードの重要性を改めて感じさせられました。