ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の支援を目的とする、一風変わったチャリティー「ALSアイスバケツチャレンジ」が広がっています。「ソフトバンクの孫社長が頭から氷水、ALSの患者支援チャリティーで」によれば、内容は「『米ALS協会への寄付』または『頭から氷水をかぶる』を選び、次の候補者(最大3人まで)を指名するという募金イベント。実際には頭から氷水をかぶったうえに寄付(100ドル)もするのが慣例となっている」というものです。

 IT関係のトップの参加が目立つのも特徴でしょう。日本では、ソフトバンクの孫正義社長や楽天の三木谷浩史会長兼社長が氷水をかぶりました。米国ではフェイスブックのマーク・ザッカ―バーグCEO(最高経営責任者)やアップルのティム・クックCEO、ビル・ゲイツ氏も経験済みです。

 どうして広がっているのでしょうか。氷水をかぶるという視覚的にはインパクトが強いものの簡単にできること、有名人が積極的に参加したことで、活動の知名度が高まったこと、などを理由に挙げられるかもしれません。

 筆者はソーシャルメディアと動画サービスの広がりを指摘したいと思います。Facebookで氷水をかぶる動画を公開している知人が筆者には複数います。手元に動画撮影機能を備えたスマートフォンと氷水の入ったバケツさえあれば、簡単にチャリティーに参加して周囲に広めることができるのです。

 マーケティングやメディアの世界で、バイラルという言葉が流行しています。バイラルとの関連を含めて考えてみたい現象です。