FinTechやIndustry 4.0といったキーワードで、金融や製造の世界のIT重視が話題になりますが、流通の世界も負けていないと感じる記事を今週は続けて読みました。「ファストリが『マイクロサービス』を導入、週に数回のアプリ改変が可能に」と「『1000日で製造小売りへ』、ローソンのデジタル戦略が始動」です。

 ファーストリテイリングが目指すマイクロサービスは、注目の集まる開発の新潮流です。内容を紹介している部分を前者から引用します。

 「マイクロサービスとは、独立性が高く、粒度の比較的小さいサービス(インタフェースを持つソフトウエアコンポーネント)を組み合わせることで、アプリケーションを構築する手法だ(関連記事:マイクロサービスはエンジニアを元気にする?)。柔軟で迅速な開発・改変を可能にする。ファーストリテイリングでは、既に10種類を超えるサービスを、マイクロサービスで開発し運用しているという」

 後者はローソンのデジタル戦略を紹介したものですが、二番目の柱として取り上げられているサプライチェーン全体での生産性向上についての部分に特に気になりました。後者から引用します。

 「IoT(Internet of Things)の技術を活用し、来店客の導線やコンビニ店員の働き方、さらには店内の照明や冷凍設備、コーヒーメーカーやフライヤーといった電気機器の稼働状況まで、様々な情報を見える化する。店舗運営の無駄を省くと同時に、発注精度の向上やマーケティング施策にもつなげる」

 狙いは手法は違うのでしょうが、どちらの取り組みも意欲的なものです。流通とITの関係も追いかけていきます。「リテイルテック」、あるいは「リテイル4.0」といった言葉が注目を浴びる日が来るかもしれません。