「SAPのMcDermott CEO、Salesforce買収には『興味ゼロ』」を読んで、欧州SAPの今を改めて確認できました。印象に残ったのは、米セールスフォース・ドットコムの買収を検討しているかという質問に対する、ビル・マクダーモットCEO(最高経営責任者)の発言です。

 以下に引用します。

 「Salesforceについてだが、SAPが買収するメリットはない。特に興味はない。Salesforceは20世紀の技術アーキテクチャーで、SFA(営業支援)機能しか持たない。

 SFAのクラウドサービスはコモディティーだ。われわれはHANAをリアルタイム取引プラットフォームとして利用し、SFAと他のシステムとを連携できる。これはSalesforceにはできない。Salesforceはもはや古い企業で、われわれはあらゆる場面でSalesforceに勝っている」

 買収にメリットがないと断言した点ではありません。「20世紀の技術アーキテクチャー」という表現が目に飛び込んできたからです。

 23年ぶりに全面的にアーキテクチャーを刷新した、RDBを用いないERP(統合基幹業務システム)のS4/HANAによほどの自負があるのでしょう。Industry 4.0などのキーワードにも触れた同CEOの話しぶりは全体に軽やかです。

 21世紀型になったSAPの自信を感じました。