米MITメディアラボで2016年8月4~6日に開催された教育用プログラミング環境「Scratch」のイベント「Scratch Conference 2016」3日目の注目セッションは、Scratchの今後の動向を開発チームが報告するパネル・ディスカッションである(関連記事:「初日の様子を日本からの参加に注目しながらレポート」「『子どもの興味を引きそう』、日本のTV番組に高い関心」)。
「What's next for Scratch?」と題された同セッションには、Scratchの開発を率いるミッチェル・レズニック教授をはじめとする開発チームが参加(写真1)、Scratchに関する今後の動向、具体的には会期直前にScratch 2.0に実装された新機能である「Teacher Accounts」、グーグルと連携して開発を進めている「Scratch Blocks」、次世代Scatchとなる「Scratch 3.0」などを紹介した。
充実するScratchプログラミングの教材
同セッションでは開発チームはまず、充実するScratchプログラミングの教材を紹介した。よく使う組み合わせのブロック群(スクリプト)を学べるScratchカード(Activity Cards)、動画で作品づくりを学べるチュートリアル(Tutorials)、ワークショップを開くときなどに参考になるファシリテーター向けガイド(Facilitator Guides)、子どもの関心が高い事柄に特化した作品づくりを支援する「Interest-Based Microworlds」を相次いで紹介した(写真2)。これらは、Scratchの公式サイトのヘルプからダウンロードしたり見ることができる。
開発チームは、Scratchプログラミングの入門やワークショップでの活用を支援するために、これらの教材やサンプルプログラムの充実に注力していることを報告した。