複数の企業や組織が一つの情報システムを共用すること。システムの開発や保守・運用費を割り勘にして、コストを効率化することが狙いだ。クラウド利用なども広義のシステム共同化と言えるが、特定の業種・業態の組織同士が共用することを指す場合が多い。

 昨今は、地方自治体などで共同化の取り組みが進んでいるが、代表的なのは地方銀行間による勘定系システムの共同利用である。例えば、地銀最大手の横浜銀行は、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行と「MEJAR」と呼ぶ基幹系システムを共同利用している。日本銀行が2014年3月に発表した調査によると、2013年11月時点で勘定系システムを共同利用する地銀は全体の約7割に上る。

 システム共同化には、独自機能を盛り込みにくいなどの側面もある。そこで、競争力に直結する情報システムは単独で保有しつつ、競合と差異化しにくいシステムのみ共同化するのが定石だ。

 “攻め”のIT投資が叫ばれるなか、システムの保守・運用といった“守り”のIT投資コストは押さえたいというニーズはますます強まっている。システム共同化の動きは、様々な業種・業態に広がっていく可能性がある。