海外のITベンダーや自社拠点に、システム開発を委託すること。人件費の安価な国の技術者を活用して、コストを削減することが主な狙い。多くの人材を必要とするプログラミングやテスト作業を、委託する場合が多い。

 日本企業のオフショア先としては長らく、中国が圧倒的な割合を占めていた。日本語が通じる人材が多いからである。英語が使え、システム開発の実績が豊富なインドへの発注も多かった。

 しかし昨今は、両国における技術者単価の上昇や、日中関係の悪化といった影響を受け、選択肢は多様化しつつある。現在、ポスト中国、ポストインドの最有力候補はベトナムだ。比較的安価な人件費と日本語人材の多さが要因である。情報処理推進機構(IPA)の『IT人材白書2013』によると、日本企業のオフショア先で第1位は中国、インドとベトナムが第2位で並ぶ。

 ベトナムよりも、さらに廉価な人材を求める動きも始まっている。民政移管で注目を集めるミャンマーには、NTTデータやNEC、大和総研といったITベンダーなどが拠点を構え、次世代のオフショア先として、人材育成などに力を入れている。