スイッチやルーターといったネットワーク機器で使われているOSのことをネットワークOSと呼ぶ。従来はネットワーク機器ベンダーが自社ハードウエアと自社ネットワークOSを組み合わせて販売していた。最近はネットワークOSが単体で販売されるケースが増えているほか、OSS(オープンソースソフトウエア)のネットワークOSも登場している。

 著名なネットワークOSとしては、米シスコシステムズの「IOS」「NX-OS」や、米ジュニパーネットワークスの「JUNOS」などがあるが、これらは基本的にシスコ製やジュニパー製のネットワーク機器との組み合わせで販売されている。ところが2013年から2014年にかけて、米キュムラスネットワークスの「Cumulus Linux」や米ビッグスイッチネットワークスの「Switch Light OS」など、ネットワークOS単体で販売される製品が登場し始めた。

 ネットワークOSが単体で販売されるようになったのは、2012年頃から台湾のODM(相手先ブランドによる製造)事業者が、ネットワークOSを搭載しない「ホワイトボックス・スイッチ」を販売し始めるようになったためである。ネットワークOSを搭載しないスイッチは「ベアメタルスイッチ」とも呼ぶ。

図●Open Network LinuxのWebサイト
図●Open Network LinuxのWebサイト
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 サーバーやストレージなどデータセンターで使用するハードウエアの設計図や仕様書をオープンソースとして公開する「Open Compute Project」は、OSSのネットワークOSである「Open Network Linux」を開発している()。Open Network Linuxは、ビッグスイッチネットワークスのSwitch Light OSがベースになっている。