子どもにプログラミングを学ばせる試みのこと。特に近年は、幼児から小学生低学年を対象にしたプログラミング教育の試みが相次いでいる。佐賀県武雄市は2014年、ディー・エヌ・エー(DeNA)、東洋大学と共同で、山内西小学校の小学1年生40人を対象にプログラミング講座を開いた。ベネッセコーポレーションは2014年11月、年中(4~5歳)から小学2年生までを対象にしたプログラミング講座を実施した。

 小学生向けプログラミング教育の世界的な火付け役とも言えるのが、複数のブロックを組み合わせてプログラムを構築できるビジュアルプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」だ。8歳以上の子どもを対象にMITメディアラボが開発したもので、構文を覚える必要がなく直感的にプログラムできる。

 さらに2014年には、より低年齢層の5~7歳に向けた無償のiPadアプリ「ScratchJr(スクラッチジュニア)」が公開された。プログラミング教育の対象が、幼稚園児・保育園児にまで広がったことになる。冒頭に紹介したベネッセコーポレーションの年中~小学2年生向け講座は、ScratchJrを採用したものだ。

 国産のビジュアルプログラミング言語には、文部科学省が公開している「プログラミン」、NTTが開発した「VISCUIT(ビスケット)」、ユビキタスエンターテインメントが開発した「MOONBlock(ムーンブロック)」などがある。冒頭に挙げた武雄市での試みは、DeNAがScratchを参考に独自開発したビジュアルプログラミング言語を使ったという。

 これに加え、超小型コンピュータやロボット向けのプログラミング教育も盛んだ。超小型コンピュータの分野では、国内NPO法人のCANVASが、「Raspberry Pi」とScratchなどを組み合わせたプログラミング教育を支援。ロボット分野では、玩具メーカーのレゴが、7才以上を対象とする「WeDo」、10歳以上対象の「マインドストームNXT」を販売しているほか、学校教材大手のアーテックが小学生以上向けのロボットプログラミング教材「ロボティスト」を提供している。